SANKEI EXPRESS

“アート”なニュースは毎日16ページ、トレンド情報から、芸術、文化、エンターテインメント、そして歴史や古典まで、バラエティに富んだ“香り”は、カラー写真をふんだんに使ったビジュアル重視の紙面です。

とか、

知的でノーブルな“あなたの新聞”「SANKEI EXPRESS」。

のようなblurbにだまされるほどバカではないつもりだった。

だが毎日新聞に変えて以来、文化欄のつまらなさは少々耐え難く(いや、梅津時比古記者の音楽記事は面白いが、高橋豊記者の演劇記事はひどく凡庸で退屈だ)、このSANKEI EXPRESSはなんかやってくれるのではないかと期待したのだが、どうやら思い違いだったようだ。

試読三日目、ようやく演劇関係の記事として、宮城聡のインタビュー記事が載る。パリのクロード・レビストロース劇場のこけら落としに、ク・ナウカマハーバーラタが上演されるのでその関連。

とはいえ、小さい囲み記事で、ク・ナウカの説明は一切なし。

たぶん演劇をふだん見ていない記者の取材だ。ちなみに記事は全部無署名。

全体に、ロイター、共同をそのまま載せたものが多い。

要するにスタッフが揃っていない状態で、本紙の部数の落ち込みをカバーするためにフリーペーパーみたいなタブロイド判の体裁でごまかす、という底意が見え見え。

最初にコンセプトを立てたときは、もう少し理想があったんだろうが、実際にはこんなものしかできないんだな。

ニューヨークの Village Voice みたいなとんがった新聞(フリーペーパーとは言わないよ、クオリティが高かったら買うよ!)を日本でも作ってほしかったなあ。