ペリエ中毒

今年の夏はペリエライムにはまった。炭酸水のたぐいは外食で飲むものと思っていた私は、これまで自宅で炭酸水を飲むという習慣がなかった。

それが、ほんの気まぐれで楽天市場のドリンク屋で330ml×48缶を注文して自宅で飲むようになって以来、一日たりともペリエライムがないと生きていけない体になってしまった。

いままでは炭酸水の中毒性というものを理解していなかった。イタメシ屋にいってワインのあとにペリグリーノを注文するのはそういうお約束だからで、あるいは酔いざましのためで、とくに体が欲しているから飲むわけではないと考えていた。

アメリカ人にとってのコークは日本人にとってのお茶だ、ということは頭で理解できてはいても、あんな甘ったるいものどうして日常的に飲めるのだ、とバカにしていた。あれはコークの甘みもさることながら、炭酸水の中毒なのだな、ということがようやくわかった。

とはいえ、これは夏の暑さがそうさせていているのであって、夏が終わればペリエを欲することはないだろうと思っていた。

甘かった。10月も半ばに入って、まだやめられない。しかも、一日に3缶空けるという耽溺ぶり。朝起きて1缶、夕食時に1缶、風呂上がりに1缶。

まあ酒やタバコに溺れるよりは健康的だし、金もかからないが、それにしても身体そのものが欲しているというのはこれまでコーヒー以外なかったのでとまどう。

ドリンク屋は共同購入で格安で買えるのだが、なにしろ48缶買っても約二週間でなくなる。しょっちゅうネットをチェックしていないとストックが切れることになる(48缶以上買うとうちは置くところがない)。輸入雑貨食料品のKALDI吉祥寺店でも買えるのだが、ここは1缶180円と割高だ。

だがどうしてもストックが切れてしまうとKALDIに走ることになる。いちど普通のコンビニで売っているクリスタルガイザーのレモン炭酸というのを買ったのだが、やはり微妙に味が違うので体が受け付けない。ペリエの普通の缶も同じ。ペリエライムでないと生きていけない。

そんなわけで、私の嗜好品がまた一つ増えることになった。人はこうして金がかかるようになってくるのだなあ。