落款が届く

手彫り最安堂で注文していた天然丹東凍石落款が中国から届く。

はじめて落款を作るにあたって、失敗しても後悔しないように安くつくものを選んだ。

陶器製朱肉付きのを選び、送料も合わせて2000円強だった。

「落款用で、迷われるお客様は、最も一般的な「8新印篆」をご選択ください」

とあったので字体は新印篆で、白印にし、氏名四字を彫ってもらった。「野」はわかるが、「日」も「比」も「啓」もかなり崩されていてちょっとわからないが、なかなかよい雰囲気を醸し出している。

ただしついていた朱肉というか印泥ふうのものは全然使えない。指で印面にこするようにつけても、見本印ほど鮮やかにならないし、彫りが甘いからなのか、字面が印泥で埋まってしまい、まったく判読不可能の印影になる。

九谷焼のぐい呑を買ったときに吉崎英治氏が箱書きに落款を押していたのは普通の朱肉だったことを思い出して、日本製の朱肉を使ってみる。

今度は赤地がきれいについて、鮮やかに白い字面が浮かび上がる。

なるほど、やはりこういうものは日本製に限るのかな。

とはいえ、普通の朱肉だとどうしても黄色っぽくなってしまう。落款用の朱肉をいろいろネットで探す。永吉斎は高いし茶色がかっているということなので選択肢から外れる。モリヤマ朱肉はいろいろあるのだが販売しているところが少ない。印泥であれば箭鏃がよさそうだが手入れや捺印するときの手間が面倒くさそうだ。シヤチハタ練朱肉 極上落款用朱肉 40Gを購入することに決定。